ターゲティングは必要条件

良質な商談を創出するためには、ターゲティングが7割です。

ターゲティングさえ良ければ、商談進行の経験が多少浅かったり、提案内容に不完全さが残っていても受注できます。新卒の営業マンが入社わずか3ヵ月で新規受注を果たすこともあります。周囲は、「やっぱり若さの勢いがあるね」「健気な姿勢が気に入られたね」などと言います。若さや健気さという何となく納得しやすい理由に落ち着いていますが、これはターゲティングが良かっただけなのです。顧客の問題解決の意思とタイミング・予算感にどんぴしゃでミートしたからです。いわゆるBANT条件が満たされたお客さんのキーマンに会えたということです。

残り3割のプロセスが分かれ目

つまり、受注を左右する割合として、ターゲティングが7割です。
しかし、私が本当に重要と考えているのは、商談を構成する「残り3割」のプロセスです。

先の新卒営業マンの例で考察すべきポイントは、単に受注できたかどうかではありません。例えば、初回商談から受注までを他社が嗅ぎつける間もないスピード感で進行できたか(これは厚い壁を感じた競合他社のその後の参入意欲も削ぎます)。次に適正な受注金額だったか(最初の取引規模や予算感はその後の取引の目安にもなります。値下げは簡単ですが、値上げは難しいものです)。さらには、事例掲載やプロモーション協力を得られる座組みを作れたか。他にもあると思います。「残り3割」のプロセスには後々の布石となる様々な重要要素が詰まっています。

「平時」にトップ間のリレーションを作る

そして何より重要なのが、【受注前後、極力受注前に多階層アプローチができているか?】です。なぜなら、トップ間のリレーションは、最終意思決定への安心感・信頼感の醸成になります。また受注後であればアカウント拡張のキーになることはもちろん、プロジェクト開始後のリスク低減、特にトラブル発生時のリカバリーコストの抑制に抜群の効果を発揮します。 繰り返しになりますが、多階層のリレーションは、平時に作っておくことが大切です。なかでも受注前後は最も作りやすいタイミングです。 何か問題が起こってからの有事に、慌てて担当者に「取締役に会いたい」と相談しても、「そんなこと今言われても…」と調整してもらえないです。

ターゲティングが良ければ、確かに目の前の受注はできます。しかし、この「残り3割」の質によって、顧客との関係性が定まり、その企業が貴社にとっての「中長期的な資産」になるか否かが分岐します。 ターゲティングだけで終わらせず、質の高い商談プロセスを構築することこそが、強固な顧客基盤を作る必要十分条件なのです。